みまもりジャーナル

2016年07月08日(金)

介護施設実証実験で手応えつかんだ人型ロボ

ロケットスタート×テレノイド計画:業務提携でブランディングを加速化

ロビットアプリ開発やロボットメーカー向けのコンサルティングを手がけるロボットスタート(本社:東京都渋谷区)では、小型の遠隔操作型アンドロイド「テレノイド」の企画、提供を行なうテレノイド計画(本社:京都府相楽郡)と業務提携を結んだ。

 

「テレノイド」(上写真/左)は、人間としての必要最小限の見かけと動きの要素のみを備えたロボットで、その外観は様々な効果作用を引き出す潜在力を持つ。

たとえば、テレノイドから「知人の声」が聞こえたとき、ユーザーはその声の主の姿形を頭に思い浮かべる。その姿形が「テレノイド」に精神的に投影されて、まるで、その声の主を抱きかかえながら話しているような感覚になるという。

具体的には、テレノイド計画の中心的な開発機関である国際電気通信基礎技術研究所(=ATR)が行なった介護施設での実証実験で、高齢者、特に認知症のユーザーがテレノイドを抱きかかえて会話をした際に、著しい情緒安定効果がみられたことが明らかになっている。

テレノイド計画では、この「ATR」の技術シーズと、高い傾聴スキルをもったコミュニケーターと高齢者との電話による会話の内容を家族に伝える「会話型見守りサービス」とを融合することで、全く新しいコミュニケーション・サービスの提供を計画中。

「日本やデンマークで実証された研究成果の実社会への適用、要介護高齢者や一人暮らしの高齢者のQOL向上、ひいては健康の維持促進を実現し、超高齢社会に貢献します。さらに将来的には高齢者のみならず、全世代向けのコミュニケーション·サービスの開発を目指します」(テレノイド計画)

今後普及が見込まれる家庭用・オフィス用・店舗用の人型ロボットに関する業務にフォーカスし、ロボットの普及を加速させたいロボットスタートでは今回の業務提携で、テレノイドのサービス開始に向け、2社間共同でのハードウェア、ソフトウェア両面の完成度を高めるべく準備を行ない、テレノイド利用者の満足度向上と、さらなるブランディング向上を目指すという。

さらに今後、テレノイドの開発環境を整備して、アプリデベロッパーに向けて公開することで、遠隔操作以外の活用法についてのサービスを検討。将来的には人工知能システム・会話エンジン・IoTデバイスなどとの連携も視野に共同研究開発を推進する。【YG】

ロボットスタート
http://robotstart.co.jp/

テレノイド計画
http://telenoid-planning.jp/

 
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