みまもりプレス

2019年11月22日(金)

『こども宅食』を全国へ──こども宅食サミット開催

アウトリーチ型支援の実践で「親子のつらいを見逃さない社会」目指す:こども宅食応援団

 一般社団法人こども宅食応援団(佐賀市⽩⼭)では、『第1回こども宅食サミット』を都内で実施。全国の「こども宅食関連事業者」を始め、実施を検討している民間団体や自治体関係者、有識者、文京区長、国会議員など参加者は100名を超え、会場は満席となった。

実施日:2019年10月23日
場所:六本木グランドタワー(東京都港区)

 2017年に東京都文京区でスタートした『こども宅食』。「生活の厳しい家庭に定期的に食品を届ける支援活動」を実施するなか、その事業を全国に広めることを目的に 『一般社団法人こども宅食応援団』が誕生した。(2018年10月)

 こども宅食応援団の大きなポイントは、従来の福祉が役所の窓口に困難を抱えた当事者が直接訪れて支援を要請する「申請主義」に基づいて設計されているのに対し、食品の配送を通じて支援者と家庭との接点を作り、ニーズや課題を把握していく「アウトリーチ型」の支援を実践するという点。

 「現在の日本には、しっかりとした社会保障制度があり、多くの親子の生活を支えています。ただ、制度を利用して支援を受けるためには『窓口に行き、相談をする』ことが必要です。支援を受けるためには、自分で声を上げて自分で動かなければいけない。こうした状況は『申請主義』と呼ばれています。支援者は窓口で助けを求める声が届くのを待っている。でも、声を上げられない親子の声は相談窓口には届きません。相談窓口で待つのではなく、こちらから手を差し伸べる『アウトリーチ』と呼ばれるアプローチが必要です──(同法人・公式サイトより)

 今回実施された『全国こども宅食サミット』は、同法人が推進する『こども宅食』の活動が全国に広がっていく中で、その関係者が一堂に集う初めての機会となった。タイムテーブルでは多くの関係者による様々な講演、勉強会、ディスカッションが催され、開会の午前10時から、午後5時の閉会まで会場は常に満席だったという。

◎当日のレポートは同法人公式サイト・特設ページを参照。
https://hiromare-takushoku.jp/2019/11/15/407/

 最終の「クロージングセッション」後の質疑応答では、一般参加者から「支援する側が元気づけられたケースの共有」や、「こうしたアウトリーチの取り組みが誰でも使えるようにぜひ制度化してほしい」という声、また「一般的な行政手続きのデジタル化を加速してほしい」などの声が挙がった。そして同日、関係者が一堂に会して意見交換を行なったことで、参加者からは「大変勉強になった」「あらためて、良い取り組みだと感じる」といった前向きな意見が多く見られたという。

 同法⼈は「親子のつらいを見逃さない社会へ──」をスローガンに佐賀県を拠点として活動し、資⾦調達には「ふるさと納税制度」を活⽤。2019年9⽉より、4,000万円を⽬標に寄付を募っている。なお、本プロジェクトでは返礼品は⽤意されておらず、集まった⽀援の全てが事業の推進に活⽤されるとのこと。 【A.Yagisawa】



(※)画像出典:『一般社団法人こども宅食応援団』プレスリリースより。
(ソース元:PR TIMES)

【関連URL】
◎一般社団法人 こども宅食応援団
https://hiromare-takushoku.jp/

 
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