みまもりプレス

2019年5月2日(木)

公道での「電動車いすの自動運転」実証実験を実施

高齢者の移動支援への取り組みの一環として:茨城県つくば市

 茨城県つくば市(庁舎:つくば市研究学園)では、産業技術総合研究所(本部:東京都千代田区)とスズキ(浜松市南区)の協力のもと、『電動車いすの自動運転』の実証実験を実施した。(2019年4月22日)

 電動車いすは、つくば市の「研究学園駅」周辺歩道の決められたルートを、前方の人を避けながら「時速4キロ」程度で自動運転走行を果たした。

 つくば市では、『つくバス・つくタク』などの再編を行い、高齢者の移動支援を進める一方で、いまだ「バス停」までも移動することがままならない人がいることも踏まえ、こうした移動に制約のある人たちが「好きなときに不自由なく出かけられるようになる社会」を目指して、さまざまな実証や法制度の整理に取り組んできたといい、今回の実証実験もまた、そうした取り組みの一環として実施されたもの。

 同市の発表によれば、今回の実現した公道での電動車いす自動運転は、次のような可能性を秘めているという。

○コンパクトシティ(一定の区域内に居住機能や福祉・医療・商業等の都市機能と公共交通が充実したまち。つくば市が取り組んできた)において、区域内での家から目的施設までの移動手段として有効

○最寄りのスーパーへの買い物、バス停まで行くといった、高齢者や障害者の近距離の移動に劇的な変化を起こす

○さらに、将来的に無人自動運転が認められれば、オンデマンド配車サービスの実現など、交通弱者の利便性やQOLの向上

○新たな代替移動手段が提供されることによる高齢者の運転免許返納の促進

○現行法上認められる電動車いすの自動運転の要件が明確になったことで、メーカーによる自動運転の開発の促進(つくば市:プレスリリースより引用)

 同市では、今回の実験を機に「歩道での自動運転技術の開発や新たなサービスの創出など、日本中で様々な動きが生まれていくことが期待される──」とし、「つくば市でもそのような動きと連携しながら社会実装のための検証を進めていきます──」と発表した。 【A.Yagisawa】

 

(※)画像出典『つくば市』プレスリリースより。(ソース元:PR TIMES)

【関連URL】
◎茨城県つくば市
https://www.city.tsukuba.lg.jp

◎国立研究開発法人 産業技術総合研究所
https://www.aist.go.jp

◎スズキ株式会社
https://www.suzuki.co.jp

 
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